ユーカリが丘駅北口から臼井方面に向かって国道２９６号を３００ｍほど歩くと右側にコンビニが見える。 このコンビニの駐車場入口の歩道上にこの道標はある。写真は道標を黄色い円で囲んでいる。この道標は2011年の東日本大震災で上下二つに折れてしまった。その後そのままの状態であったが2021年10月に有志の方々により修復された。
　この道標は、成田の新勝寺参りの人々への里程標として、明治２７年（1894年）に東京の成田山新勝寺の信者たちの集まりである 「信集構」の岩田長兵衛が建てたものであり、同人による成田山道標は佐倉市井野の加賀清水入口の道路にもある。旅をする者にとって、 次の宿（しゅく）まであとどのくらいの距離があるか分かると、歩く力も湧いたであろう。現在は道を急ぐ人は気にも留めず行き過ぎている。

２．道標

　道標に向かって右が大和田、左が臼井である。道標に刻まれている文字は一部読めない。次に道標の文字を紹介するが下線部は平成4年佐倉市石造物文化財調査資料により補足した。 正面に「成田山　信集構社内　岩田長兵衛」、左側面に「臼井迄廿八丁　元上坐新田」、右側面に「大和田迄壹里　元上坐新田」、裏面に「明治廿七年（1894年）五月吉日」の文字が彫られている。高さ105cm.