1.要行寺
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要行寺の正式名称は法光山要行寺。宗派は献本(けんぽん)法華宗。本尊は曼荼羅。
献本法華宗は日蓮を宗祖として室町時代に開祖日什大正師(にちじゅうだいしょうし)によって開かれた。要行寺は項番3.題目塔の建立年から享保七(1722年)以前の創建と推定できる。
要行寺への道順は次のとおりである。京成佐倉駅南のパチンコ店横を南に590m進むとT字路に当たる。そこを左折し、道なりに680m行くと左に寝具店がある。その先を右折し、370m行くと右に要行寺がある。
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2.配置図
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要行寺の石碑、石仏の配置は次のとおりである。
1.題目塔
2.題目塔
3.馬頭観音
4.無縁塔
5.題目塔
6.読誦塔
7.二十三夜塔
8.手洗石
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3.題目塔
配置1
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正面中央に「南無妙法蓮華経」、正面右に「三〇壹結成 享保七(1722年)○○」、正面左に「御題目千部就○○要行寺」の文字が彫られている。高さ80㎝。
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4.題目塔
配置2
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正面中央に「南無妙法蓮華経○○」、右側面に「干時享和三発亥歳(1803年)○○」、左側面に「毎自作之念以何令衆生得入無上道速成就仏身」の文字が彫られている。高さ130㎝。
左側面の「毎自作之念以何令衆生得入無上道速成就仏身」は法華経の自我偈(注参照)の最後の節であり、その意味は次のとおりである。「私(釈尊)はつねにこのことを念じている。
すなわち、どのようにすれば、衆生を無上の道に入らせ速かに仏身を成就させることができるだろうかと。」
(注)自我偈(じがげ)とは法華経寿量品(じゅりょうほん)の経典のことである。寿量品の最初が「自我得仏来」で始まるので自我偈と呼ばれる。
偈(げ)とは仏典のなかで、仏の教えや仏・菩薩の徳をたたえるのに韻文の形式で述べたもの。自我偈は法華宗の法事などでよく読まれる経典である。
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5.馬頭観音
配置3
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この碑は白い斑点が多く文字がほとんどわからない。要行寺を訪れた時、檀家の人がこれは馬頭観音であり、以前は文字が読めたと説明してくれた。よく見ると正面上部に「馬」の文字が彫られていることがわかる。高さ50㎝。
馬頭観音は本来衆生(しゅじょう)を救済する仏であったが、馬頭観音塔は牛馬の供養塔となった。
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6.無縁塔
配置4
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正面中央に「妙法無縁諸精霊」、その右に「坐寶蓮華」、左に「成等正覚」、右側面に「大正七年(1918年)二月 高岡區内中」の文字が彫られている。高さ70cm。
無縁には死者を弔う縁者がいないという意味がある。坐寶蓮華成等正覚とは法華経堤婆達多品(だいばだったほん)の一節であり蓮華に坐して悟りを得て仏になることである。
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7.題目塔
配置5
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正面に「自我偈一万五千巻 題目三百万遍 供養塔」、左側面に「明治廿二年(1889年)四月十五日」、右側面に「經胤寺丗五世 日晥 開眼主 要行寺丗七世 日故」の文字が彫られている。高さ95cm。
自我偈については項番4.題目塔の(注)参照。
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8.読誦塔
配置6
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読誦塔(どくしょうとう)の正面に「南無妙法蓮華経奉誦久遠偈壹千部成就」、右側面に「文化十三丙子(1816年) 開眼導師本山如意山廿五日要」の文字が彫られている。高さ120㎝。
久遠偈(くおんげ)は自我偈に同じ。自我偈については項番4.題目塔の(注)参照。
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9.二十三夜塔
配置7
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二十三夜塔は旧暦23日の月待の記念として、二十三夜講中によって造立された塔である。正面中央に二十三夜塔の本尊である勢至菩薩が彫られている。正面上部に日輪、月輪、瑞雲が彫られている。右側面に「廿三夜講中」、左側面に「文政四(1821年)○○」の文字が彫られている。高さ50㎝。
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10.手洗石
配置8
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正面右に「文久二壬戌(1862年)〇〇」、その左に「高岡村」の文字が彫られている。手洗石の下部は土に埋もれていて文字がわからない。高さ35㎝。
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