岩名仁王尊

(住所:佐倉市岩名642)

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1.仁王堂

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 岩名仁王堂は岩名玉泉寺の一建物であるが、本堂がある場所から少し離れた場所にある。玉泉寺本堂の右手にある6基の石塔をさらに進むと階段があり、その階段の上に仁王堂がある。
 この堂が最初建立された時代は定かではないが、屋根の葺き替えの記録が明和時代にあることから明和時代またはそれ以前である。  仁王堂には次に紹介する木造の仁王尊が祀られている。写真の中央後方に見えるのは、仁王尊が守護する毘沙門天が祀られている毘沙門堂である。  

2.仁王尊(木造)

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 木造の金剛力士像である。左が吽形(うんぎょう)像、右が阿形(あぎょう)像である。高さは吽形、阿形共およそ190cm。製作年代は室町時代の初期と考えられている。木造金剛力士像は佐倉市指定有形文化財となっている。
 この像については伝説があり「鹿島川を流れてきて岩名の川岸に漂流したものを近卿の人々が引き上げようと試みたが重くて持ち上がらず、ただ岩名の人々だけが運ぶことができた。このため、岩名の地に安置され、祀られることになった」とされている。
仁王尊の縁日は毎月16日。1月、5月および8月には護摩法要が行なわれる。

3.手洗石

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 この手洗石は仁王堂手前の右側にある。高さはおよそ45cm。
 正面中央に「奉納御宝前」、正面左に「宝歴五(1755年)乙亥五月吉日」と文字が彫られている。  

4.常夜燈
  その1

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 仁王堂正面の入り口に一対の常夜燈がある。上記仁王堂の写真の左右にこの常夜燈の一部が写っている。高さはおよそ190cm。
 一対の常夜燈のうち右側にある常夜燈には正面に「永代常夜燈」、正面下に「竹内保久 他三名」、右側面下に「奥宮盛徳 他三名」、裏側に「文政十一年(1828年)戌子十二月」と文字が彫られている。

5.常夜燈
  その2

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 仁王堂に向かって左側の入り口に一対の常夜燈がある。高さはおよそ240cm。
 一対の常夜燈のうち右側にある常夜燈には正面に「常夜燈」の文字が彫られ、また正面下に奉納した人の名前が彫られているようであるが判読できない。裏面には「慶応二年(1866年)丙寅十月吉日」と彫られている。

6.宝篋印塔
 (ほうきょう
  いんとう)

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 仁王堂に向かって左の手前に宝篋印塔がある。高さはおよそ280cm。
 正面に「宝篋印陀羅尼塔」の文字は彫られている。右側面に文字が彫られているが部分的にしか判読できず、1992年の佐倉市石造物調査票によると「宝暦六(1756年)丙子秋八月 二峰山玉泉寺照賢代 造立之同志講中 富邸◯萩山村欽言」の文字が彫られている。

7.標石

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 上記1.仁王堂の紹介の中に記した毘沙門堂の右側面すぐ近くにこの標石がある。高さはおよそ70cm。
 正面に「常夜燈 仁王尊 宝前」左側面に「明和五(1768年)戊子十一月吉日」右側面に「玉泉寺 住 眞慧代 當村 若者中」と文字が彫られている。この標石は仁王堂正面の常夜燈についての記録ではあるが、上記4.常夜燈その1が建てられた時代とは異なるため、仁王堂が最初に建立された時代に近い明和時代の常夜燈についての記録であると推定できる。  

8.六地蔵

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 仁王堂の階段を登る手前左に六地蔵がある。高さはおよそ80cm。 建立は昭和58年。奉納者は清宮とみ他である。  

佐倉石碑クラブ

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